五感が磨かれる「本物が見極められる」(『土の匂いの子』抜粋)

 百聞は一見にしかずというのは、子どもの吸収力に基づいた格言かもしれない。見て覚え、学び、自分の世界を広げていく。

 視力はまだ未発達なので、1~2歳の子どもは自分の周囲数メートルの視界の中で行動する。見晴らしのよいところへ登って海を眺め、おとなが感嘆の声をあげているとき、子どもは目の前のアリを見ている。子どもの目線は身長に見合っているから、地面に近く、地を這う虫や風になびく草花に興味を示す。その先で笑っている友の顔や、おとなの表情に関心がある。

 たくさんの自然に触れ、本物を見る機会が多ければ、おのずと何が本物かをしっかり見極める目が育つ。

青空自主保育なかよし会

青空自主保育なかよし会は、子どもたち、親たちの仲間づくりをしよう、豊かな鎌倉の自然のなかで思いっきり遊ばせようという趣旨のもと1985年に始まった会です。鎌倉中央公園を含む山崎の谷戸を中心に野外で活動しています。潮の香り、土の匂いを全身で感じながら、子どもたちと一緒に鎌倉の四季を楽しんでいます。