日誌抜粋~当番母の葛藤

1歳組と大きい組の合同で、癒されに行く気持ちで当番に入ったが、当番として試された日だった。

 当番中は「当番としてじゃなく母としての言葉掛けになってないか。喧嘩の奨励と土の匂いの子の本にはあったが、片方が喧嘩を嫌う場合はどんな言葉掛けができるか」と自問していた。

 理由はわからないが、いつもは仲良い2人が今日はハルキがハルカにちょっかいを出し周りも便乗。ハルカは始終大泣き。当番としては見守っていたい。が、執拗な攻撃にも関わらず「はぁちゃんが泣いちゃうから」と笹を振り払うこともやり返すこともせず(ハルカなりの愛なのか?)、やられるがまま大声で泣くのみ。それでもちょっかいに拍車がかかる。「相川さん先にいっちゃったな」など、気を逸らす言葉掛けをしたが、果たしてそれでよかったのだろうか。ハルキに相手の気持ちを気づかせるきっかけを作ってもよかったんじゃないだろうか。ハルカには我慢するもんじゃないよと伝えても良かったんじゃないだろうか。これは「お口チャック手は後ろ」のなかよし会の当番として過ぎた言動にあたるのか。

 そして当番母は、当番としての役割もあるが、母でもある。近くに母がいるのに、我が子を守らず見守りに徹するのは、母子の関係にヒビが入るのではないかと心配になる。小さい組の時は姿をくらます事もできたが、視野は広くなり足も速くそれも難しい。そして前回当番の際、母が先に行ったことを根にもち小指をしっかりと持ち離さない。そしてこの状況。そんな中でも母から気を逸らすのに「1歳組のお手伝い」という自負心をくすぐる言葉がけは有効だった。

 今日はトシロウとイブキが休みで3人。制御役のトシロウがいないと勢力図もかわるようだ。一人一人にそれぞれ役割があるものなのだ。

 一方、1歳組には緩やかな時間が流れていた。ヒマリとソウタロウは2番目だからかあっちへこっちへ足取り軽く自由に遊ぶ。「ばぁ」と、驚かせるソウタロウだが隠れる場所は木の名前を表示した竹札の後ろ。目がキョロキョロ動くのが見えて可愛いらしい。

 リツはゆっくり。発せられる言葉が思いの外多く、一生懸命1歳組メンバーの在否を確認する言葉に温かい気持ちになった。竹の滑り台では、ヒマリがリツを手伝いお滑りさせるが、速度が速かったからか、リツは「ひぇん」と泣くが泣き止むのは早い。1歳組でもなんでも1人でできるんだと感心。そしてこの2人には手伝い不要らしく、手で払われてしまい、大きい組誰1人として、最後までこの2人の手を繋ぐことは出来なかったようだ。

 1歳と3歳の合同だと、2歳と3歳との合同よりお手伝いチャンスが転がっていて、大きい組の自信にも繋がったように思う。人の役に立つということが、こんなにも自信につながるとは。当番として、考えることが多く充実した当番でした。また1歳3歳で合同ある日はあるのかな。残り少なくなった当番回数が1回ずつ終わっていく。

 石拾いに熱心で次から次へと石をポケットに入れる1歳組。弁当前に暑いからと相川さんに脱ぐ手伝いをしてもらうと「この音はまさにオオカミのおなかね」と相川さん。ひとつひとつが愛おしい光景。

難しい当番でしたが、面白い当番でした。

青空自主保育なかよし会

青空自主保育なかよし会は、子どもたち、親たちの仲間づくりをしよう、豊かな鎌倉の自然のなかで思いっきり遊ばせようという趣旨のもと1985年に始まった会です。鎌倉中央公園を含む山崎の谷戸を中心に野外で活動しています。潮の香り、土の匂いを全身で感じながら、子どもたちと一緒に鎌倉の四季を楽しんでいます。